SNSの病

ソーシャルネットワークサービス(SNS)が社会インフラのようになっていく最中、マーケティングホライズン(2012.1号)をめくっていて気づいた感想を述べてみたいと思います。

吉田就彦氏が書いた「最近重大なトレンド病が蔓延している」という記事です。どんな病気かというとそれは「言いたい病」と「聞きたい病」だそうです。「言いたい病」はともかく何でもよいから発信したくなる病気、「聞きたい病」はいつのまにか他人の意見や評価に過度に影響を受けてしまう病のことです。実はこの病気、2チャンネル誕生のころからあったとは思いますが、ここにきてスマートフォンの普及とツイッターやフェイスブックなどSNSを多くの人が利用するようになって確かに増えているかもしれません。SNSをポジでとらえれば、今まで発言できなかった名もなき個人が誰でも参加でき、それなりの影響力を持てると同時に、偏ったマスコミ情報だけでなくユーザーの評価やみんなの声を直接聞くことができるようになりました。しかし一方で、「言いたい病」の典型である自己主張が現状への不満のはけ口だけになってしまう、自分の意見を持てない人が意思決定の言い訳だけに使う「聞きたい病」、なども蔓延していると思います。誰もこんな病気にはかかりたくはありませんよね。

FACEBOOKのCTO、Bret Taylor氏もあるカンファランスでこう述べています。「我々はソーシャルネットワークそのものが目的ではないと思っています。ソーシャルネットワークとはパーソナライズのことであり、アイデンティティのことであり、発見のことなのです」
SNSとは惑わず上手に付き合っていきたいものです。

流されるな

戦-帰-虎-災-愛-命-偽-変-新-暑-絆。

これは毎年12月に発表になる「今年の漢字」に選ばれた一字を2001年から並べたものです。過去3年で言えば、民主党政権が誕生した「新」の年、モーレツな暑さだった2010年の「暑」、そして東日本大震災で感じた人の「絆」の昨年。さて、今日の話題は漢字の変遷ではなくて情報摂取についての変化です。かつては発表のあった晩のTVのニュースで知ることが多かったのですが、近年は夜のニュースより前にヤフーニュースなど情報系ポータルサイトで入手するようになりました。ところが昨年の「絆」はフェイスブック上の知人から最初に知りました。極めて個人的な体験ながら、いつのまにかどんどん早く知るようになっている自分を発見してしまいました。

手元に多くの情報がタイムリーで入ってくる、便利なようですが、どうも根っこのところで気をつけなければならないことがあると感じています。情報が知識だとするならば、それを処理して自分の頭に入れて、行動に移すための知恵と行動力が足りない、情報量とその処理能力がアンバランスとなって、放っておくと「へえ~」、だけが増えていく気がしています。「昔は優秀と言われた人は物知りだった。ところが今の時代はいくらでも得られるからその力を失ってしまう。知識だけはいっぱい振り回すけれど決断ができない」ともいわれています。特に情報を得て、メールをやりとりして、書類を作ったら、仕事は終わった錯覚に陥ってしまうなんていう人たちも増えているのでは、、、こんな時間の使い方をしていたら肝心の仕事のレベルは落ちてしまうと思います。

情報氾濫の中で改めて物事を深く考える時間を意識的に持つことが肝要だと思うこのごろです。

成功とは

たまに書店を覗くと自己啓発に関する本がいつも並んでいます。50歳を過ぎるとどれも同じように見えてきてつい敬遠しがちでしたが、今回は久しぶりに手にとって良かった本をご紹介したいと思います。

「7つの習慣」という本なのですが、とても有名なのでもうお読みになった方も多いかもしれません。単なるノウハウ本ではなく現代人が生きるうえで良き道標となるようなところが気に入りました。著者のコヴィー氏によれば、正しい生き方なくして真の成功はありえない、真の成功とは優れた人格をもつことだと言い切っています。ミソなのは「人格とは繰り返す行動の指針、それゆえに優秀さは単発的な行動にあらず、習慣である」ということです。読んでみるとまるで京都大徳寺の和尚さんからかつて聞いた講話と共通ではありませんか。

そういえば、黄金律という言葉があります。キリストが山上の垂訓中に示したとされるキリスト教の根本的倫理で〈なにごとでも人びとからしてもらいたいことは,すべてそのとおり人びとにもしてあげなさい〉英語でいうゴールデンルールです。その成功の定義には「黄金律に従って、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標をひとつひとつ実現していく過程である」と書かれています。

「人格形成のプロセスはまず依存から自立、そして相互依存へと進むことだ」とコヴィー氏は述べています。そしてこのプロセスにずっと必要なのが実は「習慣」を持つことなのです。「習慣」は正しい知識とスキル、やる気から生まれます。ずっと学び続けることが大切な訳はここにもあります。

大きな嘘

ちょっと変なタイトルですが、今回はかつて開高健さんが書かれた文章の一節を取り上げてお話をしたいと思います。「創造力と知恵」:広告王デビッド・オグルビー語録(すでに絶版)という本があります。もう20年以上前に読んだ当時はオグルビーって凄いなあと思うと同時に広告ビジネスに胸躍るワクワク感を抱いたことを思い出します。

さて、この本の監修をなんと開高さんがなさっていて「序の序」の中でこんな文章を書かれています。

文案家の当時の私が感服したことを、ヒトラーのわが闘争から引用することにします。ヒトラーのわが闘争は、いうまでもなく、半自叙伝兼ナチス思想の宣伝書なのですが、その政治プロパガンダについての解説の部分が、宣伝の本質をついているのです。こういう言葉があります。「大きな嘘のなかには人をして真実と信じ込ませる何かがある」。「大衆は女に似たところがある。あれかこれかと選ばせてはいけない。どこかひとつをとりあげて、これだと徹底的に叩き込むことである」、、、

時代は変わったけれども今にも通じる部分があるような気がしますね。いつの時代も同時代性の中で焦点をひとつに絞って徹底的に訴求することは人の心を動かします。一方、少数の人を長く騙すこと、もしくは多くの人を瞬間的に騙すことはできても、多くの人を長く騙すことは決してできないと思います。私はヒトラーのわが闘争の話を思い出す度にそんな風に感じています。

驚きの数字

インターネットが本格的に普及し始めてから約15年、日本ではほぼ全員が利用できる環境が整備され、老若男女、誰もがネットを使うようになりました。ところが世界でみるとまだインターネット人口は15億人だそうです。ただ驚きなのは2015年にその人口は25億人になるとのこと。今でもYOUTUBEでは1分間に48時間分の動画がアップロードされ、TWITTERでは1日2億のツイートがあるそうです。すでに途方もないデータがやりとりされていることを考えると、近い将来、そうしたデータは間違いなくもっと増えるでしょう。

さらにもうひとつインターネットのデータが増える要因は何でしょうか。現在インターネットにつながっているデバイスは世界で40億台を超えていると言われていますが、これが2015年には150億~500億台に増えるという予想があります。スマートフォンやタブレットは勿論のことですが、すでに自動車ではインターネット対応が進んでいるように、もはやインターネットは単なる通信端末だけに限らないものとなりつつあります。今後、電気を使う機器の多くはコンピュータ内臓となり、ゆくゆくはインターネット対応となってデータのやりとりが生まれるでしょう。

一方、インターネットから生じる莫大なデータはビックデータとなって新しい可能性を生み出します。現在では何テラというデータを分析して、半径100マイルのハリケーンの発生を2日前に予測して警報を出せるそうです。天気だけでなく、世界のさまざまな問題解決にも用いられるでしょう。

私たちが大変化の最中にまだまだいることを数字から読み取れますね。

About

BBmedia inc. 社長
佐野 真一

まさか、自分がブログをするなんて、日記といえば小学生のころ夏休み三日坊主で書いただけ。めんどくさいものが苦手、人に自慢話やお説教するのも嫌いな自分が何故。。。「読んでくれた人」にその理由がわかってもらえたら幸せです。

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