BRIGHT STORY
TECHNOLOGY
技術とアイデアがカタチになる場所
ビービーメディアのオフィスにアイデアとテクノロジーをかけ合わせる 「MAKERY Nishiazabu」、通称LAB(ラボ)が生まれました。 ムービーとインタラクティブを軸としてきたビービーメディアにテクノロジーの新しい軸が加わり、 企業と生活者をつなぐ"新しいクリエイティブ"を提供していきます。 ビービーメディアの新しい試みとなるLABで毎日アイデアをこねている 木戸竜也、中野兼太郎の両氏に話を伺いました。
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木戸 竜也
インタラクティブ部門でFlashクリエイターとして数々のコンテンツを制作した後、アプリ開発へ移行。
現在は体験型コンテンツの開発やAR/MRコンテンツの開発に力を入れている。
2004年 LONDON INTERNATIONAL ADVERTISING AWARDS "WINNER"
2007年 CANNES INTERNATIONAL ADVERTISING FESTIVAL "GOLD"
TOKYO INTERACTIVE AD AWARDS "FINALIST"
2013年 東京国際スマートフォン アプリアワード "グランプリ"
中野 兼太郎
体験型コンテンツのソフトウェア、ハードウェア制作などを中心に勤務。
2017年 デジタルサイネージアワード クリエイティブ部門入賞
第70回広告電通賞 OOHメディアサイネージ部門最優秀賞
日本空間デザイン賞 銀賞
GCC VR Short Film Festival 2017 Best Commercial Adaptation
GCC VR Short Film Festival 2017 Bright Talents Award
LABってなに?
2015年にオフィス移転を行いビービーメディアの新オフィスにはLABという創作空間ができました。
LABができた経緯とLABで何が行われているか教えてください。
木戸 もともと仕事の空き時間を使ってKinectやArduinoなどで実験的な取り組みをしていました。それが実際に仕事につながっていったことがあり、CMやWEBなどの従来の広告ではなく、テクノロジーを駆使するチームが作られました。そこでここにいる中野くんとチームを組んで制作を始めていきました。 クライアントから受注した仕事として本格的に制作が始まって、はじめは装置を作るために会議室を借りたりオフィスのちょっとしたスペースを使っていたのですが、どんどん仕事が増えていく中で作業する場所はおろか、ものを保管することすら難しくなっていました。
中野 会社の階段でも作業しましたね。
木戸
そうそう(笑)。
ちょうどその時期にオフィス移転の話があって、もっと集中できる環境ができればいいなと思っていたら、それが実現した形です。
創作環境はLABができて変わりましたか?
木戸 創作する環境が与えられて作業が捗ることはもちろんですが、同時にクライアントが来社した際などに体験していただくこともでき、常にリアクションをいただけるようになったのは大きな収穫になっています。
中野 オフィス移転直後から数百人の方々にご覧いただきました。リアクションが創作の糧になったりしてとても刺激的です。
木戸 のリアクションで喜んだり凹んだりね。
受託制作だけでなく
自主コンテンツを活発に制作されていますね。
木戸 せっかくLABができたから活用しないといけないというのと、今後受注している仕事だけではない、自ら発信していく創作が必要になると考えています。自分たちの技術を向上させていくという側面もありますが、どんどん発表してクライアントのお手伝いのきっかけを作るということが重要だと思っています。
自主コンテンツ制作の難しさ
TOKYO DESIGN WEEK(以下、TDW)に出展された「ボイストーリー」「ボイスポ」はどちらも盛況だったそうですね。
木戸
「ボイストーリー」はLABが生まれてから最初の自主制作作品ですね。
会社全体に声をかけて一緒に作ってくれる人を募りました。
社内でハッカソンなど開発イベントを行ったこともあるので何人かは集まってくれるだろうと。
中野 ビービーメディアは社内でハッカソンを行ったりしてクリエイティブの意欲の高い人がとても多いものの、僕らのチーム発信でこれだけたくさんの人が集まるとは思わなかったので驚きました。
TDWに出展した初めての自主制作は何か収穫はありましたか?
木戸
TDWに出展するまではよかったです。
作ったものが皆さんの前で発表できて好評をいただいたのはなによりですが、いざTDWが終わって、自分たちが作ったコンテンツのブランディングや売り方の難しさを痛感しました。
いつもはクライアントに製品やブランドが多くの生活者のみなさんに届くよう色々な提案をさせていただく身でありながら、自身が作ったものを人に伝えることの難しさを改めて感じました。お取引をさせていただいている企業担当者の方の気持ちが少しだけわかったような気がしましたね。
受託制作だけでなく、自分たちが「いい!」と思うものを自分たちで判断して作っていくことがやりたかったわけですが、一見とても自由に見えてこれがとても難しかったわけです。
リアルの現場の中で
中野さんは「ボイストーリー」に続く自主制作第二弾となる「ボイスポ」を担当されました。
中野 この「ボイスポ」までは木戸さんと一緒に作業を行うことが多かったのですが、このプロジェクトは初めて一人で担当したものになりました。 当時は不安しかありませんでした。 新卒で入社して2年目で色々聞きたいことなどあったのですが、いつまでも甘えてばかりではいけないと自分のベストを尽くせるようがんばりました。
木戸自由にやれたでしょ?
中野
そうですね。
スケジュールや技術的な面からできることできないことをジャッジしていくことは難しいと思いました。みんなが妥協せずいいものを作りたいと思っている中だと尚更です。
僕もTDWの会場までお手伝いに行かせていただいたのですが会社で見たときと装置の仕様が大きく違いましたね。
中野 子供の声を読み取るのが難しくて何人かプレイすることができず泣いて帰ってしまった子がいたことを聞き、急遽修正しました。
子供が喜んで何回も並んでプレイしていましたね。
木戸
中野くんがバージョンアップしてくれたおかげですね。
こういうモチベーションが出るのって、やっぱりリアルのイベントの力だと思います。
リアクションがダイレクトにもらえることは今までのWEBコンテンツではないことですし、それに応えたいという気持ちは現場ならではだと思います。
現場特有の連帯感みたいなものがあるんでしょうか?
中野
今の木戸さんの話につながるかもしれないのですが
僕は作ったものは必ず自分のSNSで宣伝するようにしていて、
それを見て友だちが遊びにきてくれて自分のSNSに投稿してくれたりするので、体験イベントは自分ゴト化しやすいのかなと最近思っています。そういう意味で現場だけではなくSNSまでを含めた連帯感みたいなものはあるかもしれませんね(笑)。 とにかく実物を見ていただかないと始まらないので、instagramをぜひチェックしてみてください!
>instagram
「人が“動く”ためのテクノロジー」を目指して
現在の取り組みを教えてください。
木戸 LABができてから色々なものに手を出してきたのですがここで一つARをがんばってみたいと思っています。
その理由は?
木戸
“人の幸福度の50%は遺伝に左右される”というのを本で読んだのです。残りの10%は社会的地位などの自身の環境を相対的にみたもの、残りの40%は成功しても失敗しても「積極的に行動したかどうか」か重要であると書いてありました。
様々な研究機関で科学的にも証明されているそうで、今まで「テクノロジーは人が動かなくてもよいものを作る」のが命題でしたが、「人が動くためのテクノロジーが必要である」と本で読んで感銘を受けました。「その場に行く」という動機を作っていきたい気持ちと、ブログにも書きましたがHyper Realityという動画を見て刺激を受けたので自分はARを進めていこうと思いました。極端なこと言ってしまえば人々の幸福度をあげていきたいと思っています(笑)
ビービーメディアは広告の受託制作が主業ですが、
このような自主コンテンツを制作していく意義を教えてください。
木戸
受託制作案件の中で、予算・スケジュール的にゼロからコンテンツを制作することが難しいことが多々あります。自主コンテンツがあればそれをカスタマイズして利用したり、仕組みを応用することができるので、ご要望にお応えできる可能性が高まります。あと、広告の世界は映像とWEBという時代だけど今後どうなっていくのか誰にもわからない中で、色々な可能性を探っていきたいという気持ちがあります。Googleの20%ルールは「リスクヘッジ」とも言われてますが、それと同じですね。
他にも様々なメリットがあると考えているので今後も続けていくつもりです。
2017年は二つのARアプリを制作しました。