2026年3月27日・28日の2日間、私たちは渋谷YEASTギャラリーで開催された企画展『YEASTrip 〜 旅と本と 〜』に出展しました。特設ブースにて、最新の生成AIを駆使した体験型AIコンテンツ『EARTH COUTURE ver. YEAST(アースクチュール バージョン イースト)』の展示を実施いたしました。
本記事では、システムおよびAI素材の設計を担当した視点から、空間コンセプトとの融合や実装における検証のプロセスなど、制作の舞台裏をお伝えします。
目次
テーマ『旅と本』へのアプローチと体験デザインの設計
『EARTH COUTURE』は、もともと世界自然遺産をモチーフに、自然の造形美と人間が共生する未来のファッションをAIで描くR&Dプロジェクトとして開発がスタートしました。今回の出展にあたり、ギャラリー全体のテーマである『旅と本』、そして『新たな旅立ち』という空間コンセプトに合わせた最適化が求められました。
そこで私たちは、「本を開くときや、旅に出るときの直感をテクノロジーで形にする」というアプローチをしました。
体験者が直感的に選んだ「色」を「まだ見ぬ旅の目的地への道標」に見立て、AIがその場で自然の美を纏う衣服を仕立てていく仕組みを構築。生活者のリアルな感情を起点とした体験デザインを目指しました。
ギャラリー空間への最適化とリアルタイム生成AIの検証プロセス
今回の開発において重視したのは、ギャラリーというリアルな空間において、来場者が説明を読まずとも直感的に理解できるUX(ユーザー体験)の設計です。
体験の入り口となる画面の導線や、選択する色彩のトーンなど、空間の世界観を損なわないよう、洗練されたトーン&マナーの構築を徹底しました。
また、実装段階における大きな課題は、リアルタイム生成におけるAIのクオリティコントロールでした。体験者が選んだ色と背景の自然モチーフ、そして衣服をいかに滑らかに融合させるかという点について、開発拠点である『TECHPLA BASE』にて、プロンプト(指示文)の挙動テストを重ねました。AIによる出力の不確実性と向き合いながら、検証を繰り返すことで、実用に耐えうるシステムへと落とし込んでいきました。
直感的なUXが生み出した成果と、デジタルインセンティブの仕組み
体験者が色を選択すると、最新の生成AIによってその人の感性が1枚のアート(画像・動画)へとリアルタイムに仕立て上げられます。衣服を単なる消費財ではなく、自然の造形美と共生し風景と一体となるファッションとして提示する演出を行いました。
さらに、生成されたビジュアルはデジタルインセンティブとして、体験者がその場でスマートフォンにダウンロードできる仕組みを導入しました。これにより、会場内での体験に留まらず、参加者が自発的にSNSへシェアするなどのポジティブな循環を生み出すことができました。
こうした経験を経て、最新技術の導入においては、AIの性能そのものだけでなく、「いかにして体験者の関心を引き出すか」という人間側の企画・演出力が重要であるという知見を得られました。
R&Dから蓄積されたアセットと今後の展望
今回の『EARTH COUTURE ver. YEAST』の出展を通じて得た「生成AI×リアルタイム体験」のワークフローや知見は、すでに社内のアセット(資産)として蓄積されています。
今回のR&Dで実証した技術と演出の枠組みをベースに、今後はクライアント企業のみなさまとの共創プロジェクトやイベント施策、WEB表現のアップデートへと繋げていきたいと考えております。